岡山 裸群1万人が激しい宝木争奪戦 / ボビーさん、西大寺会陽に初挑戦


裸群1万人が激しい宝木争奪戦  岡山

日本三大奇祭の一つとされ、国の重要無形民俗文化財の指定が決まった「西大寺会陽」が20日夜、岡山市東区西大寺中の西大寺観音院で開かれた。約1万人(主催者発表)の裸群が、福をもたらすといわれる宝木(しんぎ)を求め、激しい争奪戦を繰り広げた。
 日中の雨も上がり、まわし姿の男衆が午後7時すぎから境内に続々と集結。肩を組み、「わっしょい」の掛け声を響かせながら、水で身を清める垢離(こり)取り場へ向かった。本堂大床では、ひしめき合って全身を紅潮させ、打ち水が蒸気となって白く立ち上った。
 気温7・7度で、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願する修正会(しゅしょうえ)が結願(けちがん)した午後10時、照明が一斉に消され、坪井全広住職が本堂の御福窓から宝木2本を投下。裸群は「うおー」とどよめき、巨大なうねりとなった。
 宝木の1本は岡山市の寺坂グループが獲得した。
 西大寺会陽は室町時代の1510年に始まったと伝わる。今年1月、国の文化審議会が重要無形民俗文化財に指定するよう文部科学相に答申しており、3月に指定される予定。
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ボビーさん、西大寺会陽に初挑戦

 ボビーは会陽で岡山へ?。テレビせとうち(TSC)などテレビ東京系で放送中の人気バラエティー番組「YOUは何しに日本へ?」のナレーションを担当しているタレントのボビー・オロゴンさん(42)が同番組収録のため、20日、西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)で開かれた西大寺会陽に初挑戦し、会場の熱気を体当たりでリポートした。
 国重要無形民俗文化財の指定決定を機に、日本独特の伝統行事の魅力を外国人の視点で伝えようと企画。スタッフと5人のグループをつくり出場した。
 まわし姿のボビーさんは地練りや垢離(こり)取りなどを体験。宝木(しんぎ)の投下の時刻が迫ってくると身長183センチ、体重95キロの体を駆使して裸群をかき分け、本堂大床を目指した。
 ボビーさんは「宝木獲得に燃える男たちの姿に感動した。祭りの神聖な空気感を多くの人に伝えたい」と話していた。
 番組は3月21日に放送される予定。

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まわし姿の少年400人宝筒争奪

西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)で20日開かれた西大寺会陽の幕開けを飾る「少年はだか祭り」には、岡山県内外から小学生約400人が参加した。まわし姿の子どもたちは手を伸ばして体をぶつけ、元気よく宝筒などを奪い合った。
 男児は午後3時半すぎ、西大寺観音院近くの西大寺公民館(同向州)を出発。雨が降る中、「わっしょい」と大声を上げながら肩を組んで商店街を練り歩き、境内の垢離(こり)取り場で身を清めた。
 本堂前では学年ごとに集まり、1、2年生は宝もちを、3、4年生は五福筒10本を取り合った。5、6年生は白い和紙に包まれた宝筒を手に入れて、福男児になろうと真剣そのもの。家族や友人の声援を受け、天気に負けない熱い争奪戦を見せた。
 福男児になったのは、いずれも岡山市立西大寺小6年で12歳の流王悠汰君と山本梓杏(しおん)君。2年連続出場の山本君は「絶対取る気持ちで臨んだ。急に(宝筒が)見えたので引っ張った」。初出場の流王君は「取れるとは思わなかったが無我夢中だった。大人になっても会陽に出たい」と話した。

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西大寺会陽、観音院で準備整う


備前平野に春を呼ぶ裸祭り「西大寺会陽」(岡山県重要無形民俗文化財)が20日夜、岡山市東区西大寺中の西大寺観音院で開かれる。国の重要無形民俗文化財の指定が決まってから初となる記念の会陽。手にすると福を授かるという2本の宝木(しんぎ)が午後10時に投下され、数千人と見込まれる裸衆が激しい争奪戦を繰り広げる。
 あいにくの雨の中、観音院では同日朝、西大寺会陽奉賛会のメンバーらが、裸衆がひしめく本堂大床周辺の柱に衝撃を緩和する布団を巻き付けるなど安全対策を徹底。垢離(こり)取り場では7日から続く「水垢離行」が最終日を迎え、坪井綾広副住職と会陽に出る市民ら約50人が冷水に入って経を上げ、身を清めた。今年で出場12回目の会社員男性(41)=同市東区=は「一緒に出る仲間たちの無事を祈った。ご縁があれば宝木をいただきたい」と話していた。
 会陽は、午後3時20分からの少年はだか祭りで開幕。小学1、2年は宝もち、3、4年は五福筒、5、6年は宝筒を奪い合う。うらじゃ踊り連が会陽をテーマにした演舞を披露し、女性グループは男たちの士気を高める会陽太鼓を奉納。吉井川河川敷で同7時から、約2千発の冬花火を打ち上げる予定。
 このころから隊列が境内を練り歩く地練りが本格化。五穀豊穣(ほうじょう)などを願い7日から行われている大祈祷(きとう)・修正会(しゅしょうえ)が結願(けちがん)する時刻に合わせ、本堂の御福窓から宝木が裸群に投げ込まれ、祭りはクライマックスを迎える。
 観音院周辺は、20日午後3時20分から21日午前0時ごろまで車両の通行を規制。両備バスとJR西日本岡山支社が岡山駅発着のバス、列車を臨時運行する。
 20日午後の岡山県南部の天気について、岡山地方気象台は「夜遅くには雨がやむ見込み。気温はほぼ平年並みだろう」と予報している。

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ふんどし姿で「福男児」めざす 岡山・西大寺「少年はだか祭り」


 「日本三大奇祭」のひとつ「西大寺会陽(えよう)」が20日夜、岡山市東区の西大寺観音院で開かれるのを前に、同日午後、「少年はだか祭り」が行われ、小学生約400人が「福男児」を目指して宝筒を奪い合った。

 西大寺会陽は、室町時代から続く伝統行事。締め込み姿の男衆が「福男」を目指して2本の宝木(しんぎ)を激しく奪い合う。

 少年はだか祭りは、会陽に親しんでもらおうと始まり、今年で45回目。締め込み姿の男児らは冷たい雨が降る中、宝木に似せた宝筒を求めて、大人顔負けのぶつかり合いを演じた。
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