岡山 西大寺会陽「宝木取り」の儀式

西大寺会陽(20日)の舞台となる西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)の使者が、宝木(しんぎ)の原木を如法寺無量寿院(同広谷)に受け取りに行く「宝木取り」の儀式が3日深夜から4日未明にかけて行われた。使者は伝統に従い、道中無言で両院を往復した。
 使者は観音院の世話役を担う9人で、裃(かみしも)姿の正使を次田典生さん(46)=同市、先導役の棒頭を岡崎俊男さん(71)=同市=が務めた。観音院本堂で読経した後、4日午前0時、ちょうちんを手に出発した。
 一行は35分ほど歩いて無量寿院に到着。持参した「挟箱(はさみばこ)」に大石賢映副住職(32)の手で原木2本を納めてもらい、観音院へ引き返した。
 観音院では同日午前10時から、原木を宝木(長さ約20センチ、直径約4センチ)に仕立てる「宝木削り」が行われた。
 7日から五穀豊穣(ほうじょう)、天下太平などを祈願する「修正会(しゅしょうえ)」を開始。結願(けちがん)となる20日午後10時、観音院本堂の御福窓から裸群へ向けて2本の宝木が投下される。
 西大寺会陽は日本三大奇祭の一つとされ、国重要無形民俗文化財に指定されることが決まっている。

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西大寺会陽 22年ぶり祈りの儀式 岡山

西大寺会陽奉賛会は4日、20日に西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)である同会陽の報道陣向け説明会を同市内のホテルで開き、宝木(しんぎ)を獲得した福男への祈りの儀式を22年ぶりに再開することなど今回の特徴を発表した。
 祈りの儀式は、本物の宝木かどうかを仮受所(かりうけしょ)で確認した後、福男に他人の幸福を願う誓約書を書いてもらい、観音院の僧侶が読経などをする。祝い主ら関係者の負担軽減を図るため1995年から実施していなかったが、古式にのっとり会陽の格式向上を目指す声が上がり、復活することになった。
 このほか、前回、境内などで小型無人機「ドローン」の飛行が確認されたことを踏まえ、飛行の禁止を市民らに呼び掛けると強調。会陽前日の19日午後6時から観音院で、僧侶の読経に合わせたタップダンス、学芸館高校和太鼓部の演奏がある「会陽宵祭り」を初めて開くことも紹介した。


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